「梅雨」 特別企画

*


こんばんは,河内屋でございます。

すっかりご無沙汰しておりました。
何年ぶりでっしゃろなぁ,久しぶりに,一席おつきあいをお願いいたします。

そう言えば,この間,我が家のあたりでは,ものすごい雷雨がありました。
雨もけっこう激しいし,雷さんも大暴れ。
窓から外を見ておりましたら,数百メートル先,いや,もっと近かったかも知れまへんが,雷さんが落ちたようです。
その後,なんかあるかしらと,しばらく見てましたが,幸い何ごともなかったようでおます。
せやけど,相当強い稲光が走りましたわ。
よく雷が鳴ると,梅雨が明けるなんてことも言いますが,まあ,まだまだ梅雨は明けそうにありませんな。

梅雨や雷の話は,それとして,最近,国立屋さんの掲示板の方で,四字熟語が話題になりました。
四字熟語言うても,なかなか昔からの,辞典やなんかに載っている四字熟語は思い出されへんので,とりあえず漢字四文字で思いつく熟語。
それかて,なかなか思いつかんもんですな。

 

ガコ坊 : おやっさんいてますか。

ゴロ爺 : おやおや,珍しい人が来なすったなぁ。えらい久しぶりやないか。

ガコ坊 : へぇ,えらいご無沙汰してました。なんちゅうもんですか,貧乏暇なしというわけで。

ゴロ爺 : まあまあ,忙しゅうしてるのはええこっちゃ。で,今日は,なんじゃいな。こんな雨の中,わざわざ来たんは,何か用かいな。

ガコ坊 : 実はね・・・さいぜんまで,タカやんやらトミやんやらと会うてましてん。

ゴロ爺 : いつもの連中やな。ほんでどうしたんや。

ガコ坊 : ほしたらね,ネヒやんが,大慌てで飛び込んで来ましてん。

ゴロ爺 : なんぞあったんかいな。

ガコ坊 : そうでんねん,わても,なんかあったかいな,て訊いたんだす。

    そしたらね,ネヒやんが,「来た,来たで・・・」って言うんです。

    「なにが来たんや」・・・て訊きますとね・・・

  ネヒやん : なにかて,酒やがな。

  ガコ坊 : 酒・・・どこから来たんや。

  ネヒやん : そんなもんわからんわ。

  ガコ坊 : わからんて,なんでやねん。おまえんとこに来たんとちゃうんかいな。

  ネヒやん : うちへそんなもん来るかいな。ゴロ爺とこやがな。例のお歳暮やな。あ,違た。おなかもと,ちゅうやつや。

  ガコ坊 : アホ。「おなかもと」と書いて,お中元と読むんや。せやけど,お中元てなもん,しっかり包装してあるよって,中身まではわからんやろが。

  ネヒやん : いやいや,あの大きさといい,重そうな様子といい,ありゃゼッタイ,酒と睨んだな。

       今から,ゴロ爺とこ行って,酒飲ましてもらお。

ガコ坊 : へぇ,そんなわけで,寄らしてもろたんです。みんな,外で待ってまんねやが,どうだっしゃろ。

ゴロ爺 : なんやえらい目ざといなぁ。確かに,さっき,灘の親戚からお酒を送っていただきました。

ガコ坊 : (外に向かって)ネヒやん,お前の言うとおりやったで。     ほんなら,ご相伴させていただきます。

ゴロ爺 : まだ,飲ませるとは,言うとらんがな。まぁ,しゃーないから,入っといで。

みんな : ほんなら,お邪魔しまーす。

ゴロ爺 : まあまあ,みんな上がり。座布団もないが,のうてもええやろ。

ガコ坊 : へぇ,この暑いのにお座布なんかいりゃしまへん。それより,ま,一杯。

ゴロ爺 : そんな急(せ)きなはんな。なんも飲まさへんとは言わんがな。そのかわりや,四字熟語の一つでも言うたら,飲ましたろ。そういう趣向でどうや。

ガコ坊 : なんやまた,面倒臭いこと言いなはるなぁ。四字熟語て,なんですねん。

ゴロ爺 : 四字熟語も知らんのかいな。四字熟語言うたら,漢字四文字でできた言葉,まあ,ことわざみたいなもんかな。

ガコ坊 : 漢字・・・四つでっか。それやったら,ますますめんどう。さ,一杯。

ゴロ爺 : なんやそれ。

ガコ坊 : そやかて,漢字四つ言いなはったやんか。せやから,「益益面倒」。

ゴロ爺 : そんな四字熟語あるかいな。

ガコ坊 : そやかて,漢字四つ言いなはったやんか。ちゃんと,漢字四つでっせ。

ゴロ爺 : ま,しゃあないな。せやけど,一杯はあかん,半分やな。

タカやん : ほんなら,わて,いきまっせ。よう聞いとくなはれや。「大衆食堂・日替定食」。これで一杯。

ゴロ爺 : 半分2杯狙いかいな。

トミやん : ほんなら,こういきまひょか。「台風一過・晴天好日・真夏到来」。これで3杯。

ゴロ爺 : ま,2杯半てとこかいな。

ネヒやん : 「風神雷神・花鳥風月・紅白梅林・四曲屏風」 ていうんはどうだ。

ゴロ爺 : なんやしらんが,日本画風やな。ま,4杯いこか。

ガコ坊 : ほんならわてもいきまっせ,「聖徳太子,岩倉具視,板垣退助,伊藤博文,野口英世」と。

ゴロ爺 : 人の名前はあかんがな。おまけに,みんなお札の肖像画になった人やないか。

ガコ坊 : そんな,殺生な。・・・おや,雷だっせ。今,ピカッと光りました・・・わぁ,ゴロゴロきた。わて,雷,嫌いやねん。

ゴロ爺 : ほお,雷さんか・・・雷が鳴ったら梅雨が明けるというな。

ガコ坊 : へたら,こんなんはどうだっか,「四谷怪談・牡丹灯篭」。

ゴロ爺 : なんやそれ,怪談かいな。

ガコ坊 : 牡丹灯篭・・・ほれ,最後に,新三郎が,閉じこもってる家を守ってたお札を剥がしてしまいますがな。そしたら,家の戸を,おつゆが,あけました。


inserted by FC2 system